だらだら

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「K Lost small world」を未読の方向けに紹介その①

「K Lost small world」、通称ロスモワ。
今夏舞台化が決定しました〜パチパチ!!

Kが3年連続3回目の舞台化、ということで個人的にかなり高まってます〜!しかも八田と伏見のキャストは2章に引き続き植田さんと安西くんということで……めちゃくちゃ嬉しい!

今回は「Kのアニメ(もしくは舞台過去作品)は知ってるけど関連書籍とか読んだことない」「ロスモワ見に行きたいけど原作読む時間が……」って人向けに、ロスモワのあらすじを紹介したいと思います。あくまでもKの世界観、用語、登場人物、大体のあらすじを知っている方対象です。冒頭部からクライマックスまで言及しますので「ネタバレおっけー!」な人のみこのままスクロールお願いします。
書いといてなんですが、やっぱり少しでもお時間がある方は原作を読むのをめちゃくちゃお勧めします!!私なんかがブログで書くよりもずっと細かい描写で登場人物を瑞々しく描いてくださった壁井ユカコ先生の素敵な本なので、ぜひぜひ読んでください!!





※若干個人的な見解が入っているかもしれませんが、基本的には淡々とあらすじを説明します。
※結構な長さになってしまったので2つに分割しました。今回は2人の出会い~吠舞羅加入までです。


ロスモワは元吠舞羅・現セプター4伏見猿比古と吠舞羅の八田美咲の出会いから決別までを描いた物語です。
2人の出会いは中学1年生の時。2人はクラスメイトだったわけですが、最初は何もかかわりがありませんでした。八田は中学生にあがると同時に父の転勤で昔住んでいた鎮目町に引っ越してきました。そのため中学には元いた小学校の友達もおらず、そのうえ家族の中にいるとなんとなく孤立感(母は美咲の実父と離婚し、その後別の男性と再婚。義父と実母の間には2人の子供(美咲にとっては片親しか繋がっていない妹と弟)がいるため、家族の中で自分だけが半分しか血が繋がっていない)を覚え、どこにも居場所がないように感じるーー。暇つぶしといったら、学校で作った自分のグループ、通称「八田組」の奴らとつるむこと。けどその奴らとも何だか気が合わないし……。
「明日隕石とか降ってきて世界が滅亡しても、別にいい気がする」
ふとこんなことを思ってしまうような、怠惰な日々を送っていました。
そんなある日の帰り道、道端で上級生のカツアゲにあっているクラスメイト・伏見猿比古を見かけます。そういうトラブルを見過ごせない八田は声をかけますが
「やるよ、金も財布も。お前らが触ったもんなんか2度と触りたくない」「まだ小銭入ってるから這いつくばって漁れよ」
……いつもの伏見節で上級生たちを挑発する猿比古。これには助けにはいった八田もポカーン。逆上した上級生相手に、2人で応戦するのは分が悪いと感じた八田はタンマツのアプリ・「jungle」を使って八田組の仲間達を呼び出そうとしますが、その時、jungleのチャット内でで八田組の仲間達に自分の悪口を言われていたことを知ります。

ここで余談その①。(読まなくてもロスモワ本編のあらすじには差し支えありません)
ここで出てくる「jungle」というアプリはアニメ劇場版・2期を見た方ならピンとくると思いますが、緑のクラン・jungleが作ったタンマツアプリです。ロスモワに出てくるjungleのアプリは劇場版などに出てくるアプリの前身として稼働しています。
jungleのアプリといえば「ミッションを達成してjungleポイントをため、Jランクを目指す」ですが、これはロスモワに出てくるアプリとも共通しています。jungleのミッションや緑のクランはこの物語……というか八田と伏見にのちのち深く絡んでくるので、ロスモワ読んだ後にアニメ2期の八田・伏見の会話とかを見返すとかなり見方が変わります!

ここからまたあらすじです。
八田が呆然となっている間に2人とも上級生たちにボコボコにされ、挙句に猿比古には感謝されるどころか「感謝されたいならほか当たれ」「あんたのこと何も興味無い」と言われたい放題…。八田のことをつまんねえと一蹴したあと、伏見は独り言のように
「明日隕石とか降ってきて、世界が滅亡すればいいのに」
と呟きます。自分と同じことを考えていた伏見に、八田はちょっとシンパシーを感じます。
結局八田組のメンバーも本当は八田のことなんか全然仲間だと思っていなかったし、八田だけがみんなのことを仲間だと思っていたと自覚します。結果的に八田組(と思っていたのは八田だけでしたが)は崩壊し、八田は一人ぼっちになってしまいます。
落ち込んで、なんだかどうでもよくなった八田は授業をフケてトイレでぼーっとしていました。その時、隣の個室からチカチカと光が漏れ出しているのを発見します。覗いてみると、そこには伏見の姿が。最初は話しかけても拒絶されていた八田でしたが、ちょっと(かなりちょっと)受け入れられた八田は、伏見が隣で何をしているのか見せてもらえました。そこでは伏見がこないだの上級生たちにjungleのゲームアプリで報復していました。上級生たちはこのアプリに重課金していて、足りなくなった金を猿比古からたかっていたのです。ものすごいスピードで上級生をコテンパンにやっつけていく伏見に八田はあっけに取られ純粋に「こいつすげえ」って思います。そこから2人はつるむようになります。(つるむといっても、この段階ではまだ八田が一方的に猿比古に絡んでいるだけという感じですがw)
伏見とつるむようになった八田は、伏見のまたいとこ・大貝阿耶(おおがいあや)に誘われて「飛行船に乗っている謎の人物と接触する」というjungleのミッションに3人で参加します。

ここで余談②。
この"飛行船の男"というのは、ご存知の通りシロの身体に乗り移る前のヴァイスマンのことです。このミッションを出すのはjungle上層部……すなわち比水流なわけですから、このころから白銀の王に目をつけていたということですね。

ここからまたあらすじです。
ここで出てくる大貝阿耶という人物は、まあなんというか、猿比古の親類とは思えないくらい猿比古とはキャラが違います。(似ている部分はありますが。)大貝はツインテールでちょっと(?)痛いしゃべり方をして、ウサギのリュックを背負ってる女の子。そのためクラスメイトの女子からは「ぶりっこ」と言われ、八田と同様jungleで悪口を書かれていました。けど大貝はまったくそんなこと気にしていない様子。それどころか「気持ち悪いんですバカ女ども」と言ったりしています……こういうところ、伏見と似ていると思います。あと、大貝は伏見同様めちゃくちゃ頭いいです~こういうところも伏見の血筋なのかな。
3人は夜に集まって飛行船のミッションを行いますが、結構いいところまではいったものの、結局ミッションは失敗に終わります。
このミッションのとき、「伏見の頭のいいところすげぇと思ったから、伏見ともっと面白いことをして、一緒に笑いたい」――そんな思いが八田の中に芽生えます。

飛行船のミッションを終え、しばらくした後。
ある日、伏見が学校を休んでしまいます。気になった八田は大貝に住所を聞いて、伏見の家を訪ねます。そこにはでっかーーいお屋敷が。しかも鍵がかかっていない!!伏見の家は「鍵かけない代わりに持っていかれて惜しいものは置いていない」という不思議な考え方のお家。そんなこんなでお屋敷に入った八田は自室で風邪を引いて寝込んでいる伏見を発見します。こんなに広いお屋敷に、ひとりぼっちな猿比古。どうやら両親も不在のよう。見かねた八田は、伏見を看病することにします。
「寝込んでいるときに看病してくれるひとがそばにいて、ちょっとした我が儘を聞いてくれるっていう当たり前のことが伏見には想像出来ないようなことなんだ」伏見のためにお粥をつくり、そんなことを考えながらふっと気が抜けてしまった八田は伏見の家の台所で寝てしまいます。
暫くして目を覚ますと、八田の目の前には猿比古そっくりな男の人の顔が。この人は、猿比古の父である伏見仁希(ふしみにき)という人です。顔は猿比古そっくりだけど、それ以外は全然違います。黒縁眼鏡な猿比古と違ってチャラチャラした服装だし、ズケズケとものを言うし……。
「うちのおサルさんはダチほっぽって何してんの?」「おーい出てこいよ猿比古ぉ」

「出てこねえと新しいトモダチの口にカマキリ突っ込むぞ?」

そんな仁希の声を聞きつけた猿比古は、階段を駆け下り急いで八田の元に駆けつけ、八田を無理矢理家に帰します。
それもそのはず、この伏見仁希という男は猿比古にとってかなりタブーな存在。仁希は昔から猿比古の"大切なもの"を奪って、奪われた側である猿比古の絶望した顔やリアクションを楽しむというような行為をしてきた人物。決定的なのはアリの巣箱ですが(猿比古が小1のとき、猿比古の自由研究用のアリの巣箱にガソリンとゴキ…リを放り込んで全滅させた)それ以外にも色々あったんだと思います。
お父さんがそんな人物で、お母さんは会社の社長であるため全く子供に関心がなく(ネグレクト状態)、一人ぼっちで生きてきた猿比古にとって、自分を「すごい」と認めてくれた八田はこんな世界どうでもいいと思っていた伏見にとって次第に大きな存在になっていきます。劇中で八田を「的の真ん中にまぐれ当たりをぶち込んでくることがある0点か100点みたいな奴」と形容しているように、八田が伏見のことをすげえ奴だと認めていると同時に、伏見も八田のことを自分にとっての100点を出すことが出来るすげえ奴だと認めていたのかもしれません。

2人は中学3年生になり、八田は高校生になったら2人で部屋を借りることを提案し、伏見もそれを了承します。この年の夏頃から仁希は入院(日頃の不摂生からくる内臓の疾患によるもの)していたのですが勿論伏見は御見舞に行こうともしませんでした。
この時あたりに伏見と八田は尊さんや草薙さんに出会います。(2人が道端でゲームしてコーラ飲むシーンです。)ちょうどそのころ、「鎮目町には赤い怪物がいる」といううわさが流れており、尊さんが去り際にコーラの瓶を炎で溶かしたのを見て2人は彼が赤い怪物だと確信します。
このころまた一方で、jungleの動きが活発になってきました。今までjungleから出されたミッションは小さなミッションばかりだったのに対し、今回出されたミッションは「サプライズパーティのエキストラ募集」という大規模なものでした。具体的なミッションの内容は、3000人を集め"赤い怪物"がいると噂される鎮目町のバー"HOMRA"にサプライズを仕掛けるというもの。しかしこのサプライズというのは名ばかりで、実際は3000人でバーに押しかけ、クラッカーや爆薬を店の周りで使い、赤い怪物をおびき寄せるというもの。それまでなんとなくjungleに違和感(悪意のようなもの)を感じ、jungleの中枢に潜む影を睨んでいた伏見はサプライズパーティの最中にjungleのサーバにハッキングし、"悪意"の正体を暴くことを八田に提案します。もちろん八田は承諾。
八田とならでかいことをやれそうな気がする、失敗なんてしないーーーーまっすぐに「猿比古すげえ」「一緒にやろうぜ」と言ってくれる八田によって、伏見は自分の人よりよくできる才能(勉強や手先の器用さなど)に"本当の価値"を見出します。伏見は高校で学べるものなんかないと感じ高校進学をやめ、八田もそれにのります。まあ八田の場合はもともといけるかどうか怪しかったんだけどね!笑
もちろん伏見のこの決心に大貝はつっかかります。しかし伏見にとって大貝は、自分の話なんか「すごい」なんて思って聞いてくれない、世の中のどうでもいい人間のひとりに過ぎません。大貝の忠告を無視して、無視どころか暴力(大貝のリュックを蹴りあげて顔面にぶつける)をふるって2人は決別します。

そして2人は部屋を借り、そこを2人のアジトと称してjungleのサプライズパーティの日に向けて着々と準備を進めていきます。小さな格安物件の部屋でしたが、そこは伏見にとって大切な場所になっていきます。盗まれても惜しくないものしか置かなかった広いお屋敷とは違い、高価なものはひとつもないけど盗まれて平気なものは何一つない部屋。

「この部屋にはちゃんと鍵をかけようと思う」

タイトルにあるように、2人ぼっちのスモールワールドが完成します。


来たるサプライズパーティの日。八田は現場で伏見の指示を仰ぎながらパーティの参加者を混乱させる係、伏見は部屋でjungleの中枢にハッキングする係を担います。しかし伏見がパソコンでハッキングしている最中、緑の王が画面越しに伏見に接触。緑の王は中学生ふたりが秘密で進めていた計画をすべて知っていたのです。計画はおろか、2年前に伏見が八田と連絡をとるために作ったメールアプリの中で送ったメッセージの内容まで知っていました。「おれの目はどこにでもあります」と比水流はどこかで言っていたと思うのですが(2期かな?)このころからその片鱗が伺えます。
伏見はjungleへのハッキングを諦め、急いで八田のもとへ向かいます。そこにはクラッカーなどの武器を持ったたくさんのパーティの参加者たちがいました。八田を連れて伏見は逃げようとしますが参加者の中に大貝も紛れており怪我をさせられ、伏見は逃げ遅れます。参加者がいっせいに伏見に攻撃を仕掛け、このままでは猿比古が参加者に殺されてしまうと思った八田はHOMRAから姿を現した赤い怪物に助けを求めます。赤い怪物とその配下(十束さん)によって伏見は間一髪で助かりましたが、同時にふたりは自分たちの敗北・世界を変えるどころかパーティの参加者たちからの攻撃にも立ち向かえなかった己の無力さを痛感します。
力がほしい。特別な力がほしい。
そう思ったふたりは、赤のクラン・吠舞羅に入ることを決意します。

サプライズパーティが終わった3日後、伏見仁希が他界します。葬式で大貝に会った伏見はjungleに深入りするのをやめるよう大貝に忠告しますが、大貝は全く聞く耳を持ちません。伏見は気づいていませんでしたが、大貝がこんなにjungleに深入りしていたのは「猿比古をぎゃふんと言わせるため」もとい「猿比古に自分のことを見てもらうため」なんですよ……。このへんは八田と伏見の離別にも関わっていくのでここでの説明は割愛します。


今回はここまで!
近いうちにこの続きを書きたいと思います。