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「K Lost small world」を未読の方向けに紹介その②+個人的感想

前記事の続きです!
今回は吠舞羅加入~ふたりの離別までです。
前回同様、ネタバレのオンパレードですので「それでもOK!」な方のみスクロールお願いします~あとみんななるべく原作よんでねほんと最高だから!!!




※途中「K sideRED」を読んだほうが話が分かりやすいところがありますが、未読のままでもロスモワの話自体には影響しません。けど面白いからぜひ読んで欲しい!!

2人は赤のクランのインスタレーションを受け、同じ場所に吠舞羅の徴を授かりました。最初は伏見もこの力を受け入れていましたが、時間がたつにつれ八田との間にずれが生じていきます。最初は同じ目的で吠舞羅に入ったはずなのに、尊さんに尻尾を振っている八田にだんだんと昔感じたような気持ちを失っていく伏見。ちょうどその頃、吠舞羅は前青の王・羽張迅クランズマンである湊秋人・速人という双子を保護します。(この双子についてのお話が気になる方は、K sideREDを読んでね~)湊兄弟は、最近新たに青の王になった宗像礼司の方針(古参の青のクランズマンを切り捨て、それどころか異能力者(ストレイン)扱いし、新生セプター4の管理下におこうとしている)が気に入らず、セプター4から逃げてきました。普通ならセプター4と対立している吠舞羅が"元"とはいえセプター4の人間を保護する義理はないのですが、草薙さんの頼み(草薙さんはセプター4の元司令代行(双子の元上司)に2人の保護を頼まれていた)により吠舞羅のメンバーもこの2人の保護を受け入れます。
草薙さんは伏見を連れて、セプター4に双子の解放を求めて交渉しにやって来ました。屯所で待っていたのは新青の王・宗像礼司。よその王相手でも物怖じしない態度の伏見に対し、「怖くないのか」と草薙さんが問いますが伏見は
「俺が怖いのはよその王じゃなくて、尊さんです」と心の中で呟きます。このへんからも自分が何故吠舞羅に入ったのか、疑問を持つようになった伏見の心中が伺えます。
草薙さんは宗像に湊兄弟の身柄を安全に解放すること、宗像は草薙さんに湊兄弟の身柄の無条件での引渡しを求めます。草薙さんは湊兄弟を新生セプター4の隊員として受け入れるのはどうかと宗像に提案しますが、宗像はその提案を断ります。自分の作る新しいセプター4には真に有能な人材だけを集めたい、昔の隊員は不要だとことわった上で、草薙さんの後ろに控える伏見に目を向け「暗器使いが手駒に欲しい」と呟きます。(吠舞羅にいた頃から伏見は暗器ナイフの使い手でした。)これには草薙さんも伏見もびっくり。草薙さんは交渉を切り上げ、慌てて伏見を連れてセプター4の屯所を立ち去ります。
帰りの車の中で草薙さんは「伏見には吠舞羅にずっといてほしい」と言います。八田なんかは言われなくても吠舞羅の中心にいるような人物だけど、伏見には自分の仕事を引き継いでもらうような人物になってほしい、と。「いてほしい」と忠告をしなければどこかに行ってしまいそうだと草薙にも思われていたということから、自分はやはり吠舞羅の中で浮いているんだと伏見は再認識します。そんなことを思っていると、車は伏見が昔住んでいた家の前(この時は既に空き家)を通りました。ふと伏見がお屋敷の窓に目を向けると、そこには2年前に死んだはずの男、伏見仁希の姿が。伏見はその姿を見て取り乱しますが、死んだはずの男がいるはずないとすぐに冷静になります。
家に帰って伏見は八田に青の王のことや幽霊の話をしますが、八田の答えはかつて「100点」だったものとは大違い。的をはずしまくった答えを連発する八田に伏見はうんざり。
自分たちはjungleに敗北したとき「もっと力が欲しい」と思って吠舞羅に入ったのに、今の八田は「俺らは尊さんに憧れたから吠舞羅に入った」と言う。つまらない世界を、気に入らない世界を、壊せる力があったら明日も生きてやってもいいかという気になって、吠舞羅に入ったあの時。だけど八田は尊さんにしっぽ振って、こんな世界に満足しちゃって、きっと八田にはもう"ぶっ壊したいもの"なんてないんだ。そう思った伏見は八田に失望します。
伏見はその頃から、この前昔の家で見た仁希の亡霊を頻繁に見るようになります。それが原因で湊兄弟をナイフで刺し違えそうになったりして、湊兄弟の一件に関しての行動から伏見は吠舞羅側からなんとなく不信感を抱かれるようになります。(他にも湊兄弟の件に関して色々あるのですが、ここの説明はちょっとややこしいので端折ります……すいません)
そんなこんなしているうちに、伏見は単独で宗像の元に呼ばれます。 最初は宗像の話に真面目に耳を傾けていなかった伏見ですが、ジグソーパズルを完成図なしで何も無い床の上に確実な場所に並べていく宗像に目を奪われ、伏見は自ら宗像に対し「すげえ」という感情を持ちます。そして自分から「クランの鞍替えはできるのか」と消え入りそうな声で宗像に尋ねます。さすがにこの質問には宗像も予想していなかった様子。「何かありましたか」と宗像は伏見に尋ねますが、ちょうどその時、またしても猿比古の前に仁希の亡霊が現れます。伏見はナイフを取り出し、取り乱しますが宗像がそれを制止。帰り際に宗像に「君は風邪をひいているかもしれない」と忠告を受けます。

宗像の忠告を受けた伏見は家に帰り、サプライズパーティからずっと触っていなかったパソコンに手を伸ばします。
風邪、という宗像の言葉から伏見は風邪の原因=ウイルス、そして仁希の亡霊が現れるのはタンマツを持っている時だけということから、仁希の亡霊の原因はコンピュータウイルスであるということを推測します。
伏見はパソコン側からタンマツの不正システムをサーチするプログラムを使い、それが強制終了させられたことから、自分のタンマツを遠隔操作している者がいることを確信します。しばらくすると、タンマツでは遠隔操作によってjungleのアプリが開かれ、アプリ内のゲームで「Niki」と名乗る人物から対戦を申し込まれます。そこからは遠隔操作が切れ、猿比古はその対戦を受け入れます。猿比古はゲームの途中でこの「Niki」という人物は本物の仁希でないということを悟り、むかし上級生に報復したときのような指さばきで偽物の仁希を敗北させます。
偽物の仁希の正体は大貝。それを見破った伏見はチャット上で大貝を問い詰めます。
実は伏見に仁希の亡霊が見えるようにウイルスを仕向けたのも大貝でした。jungleの王様、すなわち緑の王から大貝に下されたミッションは「伏見を吠舞羅にいられなくなるようにすること」。それで大貝は伏見に仁希の亡霊を見せることで伏見が取り乱すことを予想し、伏見のタンマツにウイルスを送り付けたのです。しかしそんなことをして大貝の気持ちは晴れませんでした。
緑の王は猿比古に興味を持っていました。多分、比水流は猿比古の能力に最初から目をつけてて、(実際に勧誘したのはこの4年後くらいですが)このころから自分のクランに引き入れたいと思っていたのだと思います。
結局いつも目を向けられるのは猿比古ばかりで、緑の王様も大貝のことには興味がない。
「なんでいつも!!いつも!!いつもいつもいつもおまえなんですか!!王様はアヤを先に仲間にしてくれたのに!!」
伏見に不満を爆発させる大貝ですが、緑の王によって大貝は強制終了させられます。大貝が強制終了させられたあと、画面越しに緑の王が伏見に接触をはかりますが、青の王・宗像の介入によりそれ以上は阻まれました。ちなみにこの時、緑の王の計らいにより猿比古のjungleのアカウントは消さずにそのままになっています。その後青の王どころか赤の王まで伏見の部屋までやって来て、尊さんは伏見に「おまえはどうしたいんだ」と尋ねられます。そして宗像からは改めてセプター4の勧誘を受けます。無言のまま立ち尽くしていた伏見ですが、尊さんは「そうか」と言って特に未練もなさそうに去っていきます。伏見は「なにが?」と思いましたが、自分の足元を見てみると足がほんのわずかに青の方に動いていました。

このあと伏見はバーに行きますが、入らずに路地裏でバーの外観を眺めているとアンナがやって来ました。アンナは最初からなんとなく伏見が離れていってしまうことを分かっていたみたいです。そしてアンナは伏見に「オバケはまだいる」ということを伝えます。いまいちピンときていない伏見。オバケ(=ウイルス)はもうすでにやっつけたはずなのに……。

アンナが去って、そのまま路地裏にいると怒った美咲がやってきます。数日間音信不通で、部屋に帰ったら猿比古の荷物はないし……八田は伏見を問い詰めます。ここがあの別離のシーンです。あとは皆さんが知っているとおり、伏見が徴を焼き尽くします。
2人で拳をあわせて、2人なら何だってできるような気がしていた、あの満たされた時間はどこで壊れてしまったのか。
そうして2人ぼっちのスモールワールドは崩壊し、八田と伏見は別々の道を歩くことになります。

このあと、セプター4に入った伏見の初仕事(湊兄弟捕縛)、大貝と伏見の再会、そしてアニメ1期のラストシーンである学園島で吠舞羅のメンバーの徴から光が空に舞い上がる場面の八田視点の様子がそれぞれ少しづつ描かれています。

ここはちょっと要所だけ書きます
・湊兄弟捕縛
伏見は初任務を完遂させますが、青と赤の力を両方使用する無鉄砲なやり方はやはり最初はセプター4の他の隊員には受け入れられませんでした。報告書には「むちゃくちゃだった」と書かれていました。
この場面の最後に伏見が自分自身に
「いつか八田のように誰に憚ることなく口にするようになる日が、自分にも来るんだろうか?」「おれの王は――――」と問いかけます。

・大貝と伏見の再会
大貝は名門の高校に進学し、ある日バスに乗っているとセプター4とその中にいる伏見を発見します。咄嗟に身を隠す大貝ですが、伏見に気づかれ伏見はバスの中に乗り込んできます。大貝は自分のやったこと(大貝は仁希は伏見にとってタブーであることを十分知っていた上でのあの行動)を伏見に謝ります。
その後、バスから降りた伏見に向かって大貝が告白します。

・学園島
これは八田視点。伏見が吠舞羅を抜けた後、そのことについて十束さんと八田が話してるシーンから始まり、尊さんが亡くなった後吠舞羅であの掛け声を言っているシーンでロスモワは終わります。





あらすじ紹介はここまでで終わります。
以後、雑多な感想です。
ロスモワはなんというか、「若いな」って感じですね。思春期の多感な時期の子がつけた日記をこっそり盗み見てる気分。きっとおとなになった猿比古や美咲やアヤがこれを読んだとしたら、恥ずかしがると思います笑
ロスモワは読む人によって見方が変わる印象があるので、安西くんと植田くんがどんな風に解釈して、どんなキャラに仕上げてくれるのか今からとっても楽しみです。
あと、まだキャストは発表されていませんがアヤや仁希がステージの上で動くんだなあと考えるとワクワクしますね!個人的にアヤがすごい好きで、ロスモワで1番好きなシーンもアヤのシーン(卒業式の日にお母さんとしゃべるシーン)なので、それが舞台で再現されると考えると感無量です。伏見に告白するシーンなんかも楽しみすぎます!!
ふたりが吠舞羅に加入したあと、巻き込まれる事件は湊兄弟の事件ですがここはどうなるんでしょう。初見のお客さんは話掴めない気がする。。。私も初めて本読んだ時正直湊兄弟が何なのかわからなくて(赤本未読でした)、「こんなもんか」みたいな感じでわりと適当に読んでいたので、本読んでる人が初見でそれだと舞台で初見の人はさらに「??」ってなっちゃうと思うんですよね~。お客さんは原作を知っている方が多いとは思いますが、舞台化する以上は原作未読の方にも楽しんでもらえるような舞台にすべきだと思います。わたしは2.5次元舞台は「原作に忠実で、かつ初めてその作品を見るお客さんにも原作の世界に入り込むことができる」舞台であることが前提だと思っているので…。
けど猿比古が吠舞羅抜けるきっかけになった事件だから、この事件じゃないと再現できないシーンもあるから、差し替えもダメな気もする……。ここは末満さんの力を信じたいと思います!これまでの舞台Kも末満さんのおかげで初見でも分かりやすかったので!(わたしは舞台KではじめてKを見た人間です。)
何がともあれ、すごく楽しみですね!ここまで書いといて、わたしは行ける可能性ほぼないんですが……笑 一公演だけでも行きたい……!


最後にまた言いますが……
ちょっとでもロスモワが気になる方は、ぜひ原作を読むことをおすすめします。八田や伏見が好きだという方はもちろん、Kという作品が好きな人には(ほかの小説もですが)もってこいの1冊です。

K -Lost Small World- (講談社BOX)

K -Lost Small World- (講談社BOX)

原作小説です。このブログでは書ききれなかった細やかな心理描写や、ふたりの会話なんかがみずみずしく描かれています。


K-Lost Small World-(1) (KCx)

K-Lost Small World-(1) (KCx)


こちらは漫画です。今出ているのは2巻までです(全3巻)。「活字が苦手」という人はこちらをおすすめします。原作と少し違う点が何点かあり、原作小説だけを読んでいる人にもおすすめです。連載は最近終了したばかりで、最終巻が今夏発売予定です。(たしか7月あたまに発売だったと思うので、舞台までに漫画派の人も間に合うと思います)


(ここからはKファンとしての見解です)
湊兄弟捕縛のあと、猿比古が「おれの王はーーーー」と自分に問いかけた問いの答えが2期12話の「おまえの王は青の王だったってことだろ」につながっていたり、スクナに八田が「昔の俺達に似てるよ」と言うシーン、八田が去った後伏見が「たまに100点の答えを出すやつ」と言うシーンがロスモワと繋がっていて、2期12話はほんとロスモワでふたりがお互いにかけることができなかった言葉が自然と出てくるようになっている2人の姿を見ることか出来て感無量でした。2人とも、成長したね……。天国の十束さんにいまの2人を見てほしいです。
それと同時に、こんなふうに2人をいい着地点につかせてくれた壁井ユカコ先生もといGoRAの先生方にはほんと感謝しかないです。ありがとうGoRA。
さすが作家さんたちが7人も集まって話を練っているだけあって、Kは小説も全部アニメとリンクしていて深く探れば探るほど新しい発見があります。これがKという作品のいちばんの魅力ではないかと。ほんとKは楽しい作品です!!続編も決まったし……!K最高!Kをこれからもよろしくお願いします!!